肌をくすませる角層細胞の変化
「メラニンの蓄積」と「乱れ」
- シミ
- くすみ
肌の透明感を奪う「メラニンの蓄積」と
「角層細胞の乱れ」から形成される「メラニン滞留層」
年齢を重ねると、角層を構成している角層細胞に変化があらわれます。
その変化とは、「メラニンの蓄積」と「角層細胞の乱れ」。
これらの変化が、次第に角層に「メラニン滞留層」を形成し、肌全体の透明感を奪っていたのです。
それまで見過ごされていた
「角層メラニン」を独自研究
シミ・そばかすの原因メラニンが、表皮の最深部「基底層」に多く存在することは、よく知られています。しかし実は、肌の基礎「角層」にも、メラニンは存在しています。
本来メラニンは、基底層にあるメラノサイトで産生された後、ターンオーバーによって細胞とともに肌の外へ排出されていくもの。しかし、ターンオーバーが正常に機能せず、何らかの原因によって滞り、メラニンが角層に留まってしまっていたとしたら?
富士フイルムは、これまで、あまり研究されていなかったメラニンと角層のターンオーバーの関係に着目し、「角層メラニン」に関連する研究を進めました。
角層に溜まっていた「メラニン」を発見
肌の角層にメラニンがどのように分布しているのか把握するには、これまで顕微鏡写真を目視で確認するしか方法がありませんでした。
そこで富士フイルムは、これまで医療分野においてCT画像から病変の疑いのある個所を自動で検出するAI画像認識技術を応用し、肌内部の角層を識別させ、角層に含まれるメラニン量を定量する技術開発に成功しました。
その結果、メラニンの割合は基底層に次いで角層に多いことが明らかになったのです。
溜まった「角層メラニン」を
排出する
「角層メラニン」は、なぜターンオーバーされずに溜まっていくのか。メラニンを多く含む皮膚モデルとヒト皮膚の双方を用いて、メラニン滞留の原因を探求しました。
その結果、角層にメラニンが多く含まれていると、角層細胞を皮膚から剥離させるための分解酵素「KLK5」が減少。角層のターンオーバーが停滞することを発見しました。
角層メラニン排出のカギは、分解酵素「KLK5」を増やすこと。有用な成分の探索を行い、肌引き締めや血行促進効果で知られているセイヨウトチノキ由来の成分「マロニエエキス」に、KLK5の発現促進効果があることを新たに発見しました。
マロニエエキスが角層の状態に与える影響を調べるために、3次元皮膚モデルにマロニエエキスを添加した結果、角層が剥がれやすくなることが分かりました。
マロニエエキスによりメラニンを含む角層が剥がれやすくなることで、角層中のメラニンの排出を促す効果が期待されます。
乱れた「角層細胞」を整える
富士フイルムは、メラニン滞留層形成のもう1つの原因「角層細胞の乱れ」を整えるアプローチを模索。
細胞が健やかで整然と並んでいる角層は、肌内部で光を美しく反射し、肌に透明感を生み出します。しかし細胞の外壁構造が弱まり細胞の形や配列が乱れてしまうと、光を乱反射するようになり、肌はくすんだ印象に見えます。
「ビルベリー葉エキス」は細胞外壁を構成するタンパク質「インボルクリン」の産生を促し、細胞の乱れを整えます。