たるみの原因は「立毛筋」にあった
- ハリ
- 毛穴
毛穴の筋肉が、肌の弾力性に
影響を与えていた
年齢とともに気になり始める「毛穴のゆるみ」や「肌のたるみ」は、加齢による肌内部のコラーゲンやエラスチンの減少が主な原因と考えられていました。
富士フイルムは、この「毛穴のゆるみ」や「肌のたるみ」への新たなアプローチを探索する過程で、今まであまり着目されていなかった毛穴の収縮を担う筋肉(立毛筋)に焦点を当てました。
人の顔に存在する10万個の
毛穴を支える
重要な組織
「立毛筋」
人間の顔には、実に10万個もの毛穴が存在し、顔全体をびっしりと埋め尽くしています。もし、この毛穴の1つ1つに存在する立毛筋の機能が低下してしまったらとしたら、肌の弾力性に悪影響を及ぼすことが考えられます。
そこで、富士フイルムは、1つ1つの毛穴に直結する筋肉「立毛筋」の存在に着目しました。
「立毛筋」は不随意筋とよばれ、自分の意思で動かすことができず、鍛えることができない筋肉です。この「立毛筋」は毛穴の根本から皮膚を引き締め、毛穴の開きを調節する機能がありますが、その機能が低下するメカニズムや肌の弾力性への寄与は明らかにされていませんでした。
立毛筋の3次元可視化に成功!
「立毛筋」は、皮膚を薄切りにした組織標本として2次元的に観察される例が多く、毛根まで含む「立毛筋」の全体像については十分に研究が進んでいませんでした。富士フイルムは組織透明化技術を用いて、「立毛筋」を3次元的に可視化することに成功。
これにより、「立毛筋」は枝をいくつも伸ばしたような状態で毛穴に接続し、表皮から基底膜まで伸びて毛穴を支えていることが明らかになりました(下図の白い丸で囲った部分)。
毛穴と密接な関係にある「立毛筋」の可視化に成功したことで、毛穴悩み解決への新たな糸口が見つかったのです。
「立毛筋」も老化することを実証
毛穴と密接な関係にある「立毛筋」は解析例が少なく、今まで加齢による変化は知られていませんでした。
そこで、心筋梗塞などの原因とされる「細胞硬化」の研究をヒントに細胞の老化マーカーを用いて、「立毛筋」の老化を検証。
その結果、加齢とともに「立毛筋が老化すること」を初めて実証したのです。毛穴の筋肉という新しい着眼点が、肌悩み解決の糸口となりました。
「立毛筋」の筋力低下が
「毛穴のゆるみ」や
「肌のたるみ」に影響するメカニズム
立毛筋の働きは、筋繊維を収縮させることで、毛穴の開きを調節する機能があります。そのため筋力が衰えると、その機能性が低下します。
しかし、それだけではありません。顔全体の真皮層に無数に存在している立毛筋は、毛穴の根本から肌を引き締める機能も担っています。
つまり、「立毛筋」の機能が低下すると、肌の引き締め力が低下し、「毛穴のゆるみ」や「肌のたるみ」に悪影響を及ぼすのです。
「立毛筋」の筋力低下の原因は、
ストレスファイバーの
過剰な蓄積
では、なぜ「立毛筋」の筋力は衰えていくのでしょうか?
富士フイルムは、加齢とともに「ストレスファイバー」が筋肉に過剰に蓄積することで「立毛筋」の収縮性が衰えていくという筋力低下のメカニズムを解明しました。
「ストレスファイバー」とは、筋肉組織に存在するたんぱく質で、収縮力の源ともいえる欠かせない要素です。しかし過剰に蓄積すると、逆に筋肉細胞が凝り固まり収縮できなくなってしまうのです。
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