難消化性デキストリンとは
効果・効能から副作用まで徹底解説
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難消化性デキストリンは、トウモロコシ由来の水溶性食物繊維で、脂質の吸収を抑えたり排出を促進したりする作用が確認されています。
また、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える可能性も期待されている成分です。
しかし「難消化性デキストリンは本当に安全なの?」「具体的にはどのような働きがあるの?」など、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、難消化性デキストリンの特徴や効果・効能を詳しくご紹介します。
さらに、気になる副作用の有無や安全性も解説。健康診断で体重や血糖値が気になり始めた方は、ぜひ参考にしてみてください。
難消化性デキストリンとは?
成分の概要をチェック

「難消化性デキストリン」とは、トウモロコシのでん粉を加熱し、さらに酵素処理を行って抽出される水溶性の食物繊維のことで、通常の消化過程では分解されにくい成分です。
そもそも「デキストリン」は、α-グルコースという単糖同士が結合した物質の総称であり、そのデキストリンの中でも、体内の消化酵素で消化されにくい部分のみを取り出したものを「難消化性デキストリン」といいます。
難消化性デキストリンは、不足しがちな食物繊維を手軽に補う目的で開発された成分です。
甘みやとろみがつきにくく、水に溶かしてもほぼ透明で、飲み物や料理に加えても味や食感が大きく変化しません。さらに、熱や酸にも強いため、あたたかいものや酸味のある飲料に混ぜても品質が落ちにくく、幅広い食品への加工が可能です。
さらに、難消化性デキストリンには、脂質や糖の吸収を緩やかにし、お腹の調子を整える働きが期待されており、健康志向の高まりとともに広く利用されています。
難消化性デキストリンの
効果・効能について
難消化性デキストリンには、主に以下の3つの効果が期待できます。
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①
脂質の吸収を抑制し、排出を促進する
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②
糖の吸収を穏やかにして、血糖値の上昇を抑える
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③
お腹の調子を整える
それぞれについて詳しく解説します。
効果①
脂質の吸収を抑制し、
排出を促進する
難消化性デキストリンには、食事に含まれる脂質が小腸で分解・吸収される過程を緩やかにし、余分な脂質が体内に蓄積されにくいようサポートする働きが期待できます。
実際、脂質を多く含む食事と一緒に難消化性デキストリン配合の飲料を摂取した試験では、プラセボ飲料を摂取した場合に比べて、
食後の血中中性脂肪の上昇が抑えられたという結果が確認されています。
効果②
糖の吸収を穏やかにして、
血糖値の上昇を抑える
難消化性デキストリンには、小腸での糖の吸収スピードを緩やかにすることで、食後血糖値の上昇を抑える働きが期待されています。
一般的に、食事などで摂取した糖は、小腸で酵素によって分解されて吸収されます。
難消化性デキストリンは、この小腸での糖の吸収スピードを穏やかにする働きがあり、その結果、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあると考えられています。

効果③
お腹の調子を整える
水溶性食物繊維の一種である難消化性デキストリンには、腸内を通過する際に善玉菌のエサとなることで、腸内環境を整える働きがあります。善玉菌の活動が活発になることは、便秘の予防や改善にもつながります。
しかし、日本人の多くは1日あたり平均14g程度しか食物繊維を摂取しておらず、厚生労働省が推奨する目標量(成人男性 約21g/成人女性 約18g)を下回っているのも事実です。
難消化性デキストリンのような手軽に摂取できる水溶性食物繊維は、不足しがちな食物繊維を補える成分として注目されています。
腸内環境を整えることは、便通の改善だけではなく、免疫機能の向上や生活習慣病の予防につながるため、難消化性デキストリンには幅広い健康効果が期待されています。
難消化性デキストリンに
危険性や副作用はある?
難消化性デキストリンは、長い食経験のある成分です。
さらに、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)でもGRAS(Generally Recognized As Safe:一般に安全と認められる食品素材)に認定されています。JECFA (FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)においては、1日摂取許容量を設定する必要がないとされており、安全性が高い成分といえます。
ただし、難消化性デキストリンを多量に摂取すると下痢症状を起こす可能性があることも報告されています。
体調や体質によっても、お腹がゆるくなることがあるため、過剰な摂取は避けましょう。
難消化性デキストリンを
日常に取り入れるコツ
難消化性デキストリンは、錠剤タイプやパウダータイプなど、さまざまな形状のサプリメントとして市販されています。
こうしたサプリメントは、食事の前に摂取するのがおすすめです。
ただし、難消化性デキストリンの過剰摂取は、お腹がゆるくなる可能性があります。
サプリを活用する際は、各製品に記載された1日の目安量を守りましょう。
まとめ:
消化性デキストリンの活用で
より健康的な毎日を

難消化性デキストリンは、トウモロコシ由来の水溶性食物繊維で、体内では消化されにくいという特徴があります。
不足しがちな食物繊維を手軽に補えることに加えて、脂質や糖の吸収を穏やかにし、腸内環境を整えるといった効果が期待できます。
長い食経験を持つ難消化性デキストリンは、世界各国でもその安全性が認められています。
ただし、過剰な摂取はお腹の不調を引き起こす可能性があるため、1日の摂取目安量を守りながら取り入れることが大切です。