知っておきたい
「糖質ケア習慣」
の正しい知識

目次
糖質とは何でしょう?
食べたいものがいつでも手に入る現代の食生活。日本をはじめ先進国では、豊かな社会である一方で飽食の社会であり、スナック菓子や血糖値を上げるといわれる穀類(白いパンや白米、ピザ、パスタなど)、甘いデザートや飲料など、昔に比べると精製された糖質を多く含む食品は非常に身近で入手しやすくなりました。
また、意外なところでは調味料にも多量の糖質が含まれており、外食や中食が増えた分、目には見えないところで糖質を多く摂取している場合もあります。食事によって血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖は肝臓や筋肉へと貯蔵されます。
しかし、肝臓と筋肉に蓄えられる量は少量なので、あまりは体脂肪として蓄えられます。こうして血糖値が下がり、私たちの体はインスリンの働きによって血液中のブドウ糖量が一定に保たれます。血糖値上昇に関与する栄養素は、「糖質」だけです。

糖質過剰摂取のリスクとは?
糖質を過剰に摂取する食事を続けると、血糖値を下げようとインスリンがどんどん分泌され、ブドウ糖を脂肪に変え、ひたすら脂肪細胞に蓄えていきます。
すい臓に負担をかけるなどインスリンの効きや分泌にも影響を与え、健康などにも様々なリスクがあると考えられています。血糖値の急上昇を抑えることは、様々な健康のリスクを下げることにつながるのです。

糖質ケア習慣のポイント
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- 主食はにぎりこぶし1個分が目安
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にぎりこぶし1個分はご飯なら約100gで糖質約37g。通常の一膳は約150gなので、いつもの量よりも少し少なめの量です。
コンビニのおにぎり1個の糖質が約40gですので、おにぎり1個まではOKと覚えてください。ちなみに食パンなら8枚切り3分の2枚程度。
パスタだと約100g。通常1食分が約250gなので半分弱の量です。「1回の食事につき、自分のにぎりこぶし1個分」が目安ですが、ご飯だけでなく、パスタ、うどんなどの麺類もにぎりこぶし1個分が目安です。
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- 朝食はちゃんと摂っていますか?
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朝食欠食で空腹状態が続くと、次の食事で血糖値が急上昇。すると体は脂肪を体に溜めこもうとするので、食事は毎日3食規則正しく摂りましょう。
また夜に炭水化物を多く摂ると、糖質が脂肪として蓄積されやすいので、できるだけ避けるようにしましょう。
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- 食べる順番も大事
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血糖値の上昇をゆるやかにするためには食物繊維の活用がポイントです。野菜→海藻→肉・魚→ご飯といった順番で食べると、先にご飯を食べるより太りにくくなるといわれています。
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- 「食後の運動」のすすめ
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体を動かすことで、胃腸に集まった血液を全身に回すようにすると、胃腸の動きが弱くなって吸収がゆるやかになります。お皿洗いや、拭き掃除など日常生活でも体を動かして、食べたら動くことがポイントです。
朝食後は駅まで歩く、ちょっと散歩に出かける、また、ランチの後は、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使うというのもいいですね。
糖質の多い食べ物
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- 醤油ラーメン
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- めん230g・
チャーシュー20g - 429 kcal
- 糖質量69.7g
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- ショートケーキ
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- 1個110g
- 378 kcal
- 糖質量51.1g
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- さばの味噌煮
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- さば90g・
わけぎ35g - 279 kcal
- 糖質量14.9g
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- 牛乳
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- 200ml
- 141 kcal
- 糖質量10.1g
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- 野菜ジュース
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- 200ml
- 45 kcal
- 糖質量10.1g
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- おでん(はんぺん)
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- 100g
- 105 kcal
- 糖質量13.4g
監修医のご紹介
- 弘世 貴久
- 東邦大学医学部内科学講座
糖尿病・代謝・内分泌学分野
教授 -
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- 昭和60年
- 大阪医科大学卒業
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- 昭和60年
- 大阪大学第三内科研修医
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- 昭和63年
- 大阪大学大学院医学研究科入学
(平成4年 医学博士号取得)
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- 平成 4年
- 米国国立衛生研究所(NIH)研究員
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- 平成 9年
- 大阪大学医学部第三内科助手
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- 平成 9年
- 西宮市立中央病院内科医長
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- 平成16年
- 順天堂大学医学部内科学代謝内分泌学講座 講師
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- 平成18年
- 順天堂大学大学院代謝内分泌内科学 助教授
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- 平成24年
- 東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野教授
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- 現在に至る
- *役職・経歴等は本コラムを監修いただいた時点の情報です。
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