写真フイルムで培った先端技術を化粧品・サプリメントに活かす
関写真フィルムと化粧品やサプリメント、一見するとまったく畑違いの分野に思えますが、実は開発にあたっては技術的に共通する部分が多くあります。例えば、私たちの肌の70パーセントを構成するコラーゲンは、フィルムの主成分でもあります。また、写真の色褪せは紫外線に起因する酸化によるもの。これは肌の老化と同じ原因です。これまでのコラーゲンの研究や抗酸化・紫外線防御技術は、化粧品やサプリメントの開発にも大いに活用できるのです。さらにフィルムの性能を支えるナノテクノロジーや、写真で肌色をきれいに再現するための光解析・コントロール技術などは、化粧品やサプリメントでも応用されています。
小田写真フィルムの先進的で独自の技術をサプリメント・化粧品分野でも使えることが、他社にはない富士フイルムならではの強みなのではないでしょうか。一例を挙げると、当社の代表的な機能性表示食品にも使われているサラシノールという成分が、それにあたります。この成分は天然植物のサラシアに含まれているのですが、サラシア自体は安定性の良いものではなく、この安定性の向上と高濃度にして効果を高めるために写真フィルム技術を応用しました。さらに研究を進めていくうちに、従来知られていたサラシアの糖の吸収を抑える作用に加え、腸内環境を整える作用があることが分かり、それらを当社の「機能性表示食品」に生かしています。

関サラシアはつる科の植物で、そのままではちょっと苦みがあるんですね。製品を開発する時には、そういう雑味を取り除いて有用成分の純度を高めて配合し、食品の3次機能と呼ばれる健康性機能・生体調節機能をきっちりと出せるようにしました。そういった点にはこだわっていますね。
小田世の中にあまり知られていない食品素材を研究して、新しい機能性を発見する。それを手軽に摂取していただいて、皆さまの健康寿命を伸ばすことができるような食品を開発したい。また、機能はあるけれども吸収性が悪くて、これまで十分な作用を示すことができなかった食品素材を、より効果的で使用しやすいよう加工や配合した製品を提供したい。常々そう思いながら研究に取り組んでいます。いちばん良いもの、有用なものをお客さまのために作ろうという意識の元、そこから開発が始まるのです。
