「診断」で培った技術を「予防」「治療」に活かす
富士フイルムが化粧品・サプリメント事業へ進出したのは2006年9月からです。2000年代に入り、それまで創業以来のコア事業であった写真フィルムの需要が減り続ける中、「第二の創業」を目指して新たな成長戦略、業態転換を推し進めるため、それまで保有していた技術の棚卸を行いました。その結果、市場成長が見込める6分野を重点事業分野として経営資源を集中投下することになりました。その一つが、「メディカル・ライフサイエンス」事業だったのです。
フィルムからライフサイエンス事業への業態転換というと、非常に突飛な印象を持たれるかもしれません。しかし創業間もない1936年にX線フィルムを発売し、その後も内視鏡や超音波診断装置など、富士フイルムは古くから医療の領域への参入を行っていました。もともと強かった医療での「診断」の領域に加えて、さらに「予防」「治療」分野へも展開を拡げ、「トータルヘルスケアカンパニー」として成長していこうと考えた結果、新事業への進出となったのです。
現在「予防」の部分を化粧品・サプリメント事業が、「治療」の部分はバイオ医薬や再生医療の事業がそれぞれ担っています。
