<cresc.の人 vol.4>
はじめまして、デザイン担当の小林です。
みなさま、はじめまして。
クレスクの商品パッケージなどのデザインを担当している、小林です。
私はクレスクのブランドの立ち上げから関わり、ネーミング開発や容器・包材のパッケージデザインなど幅広いクリエイティブ領域を担当しています。
発売して半年がたつクレスクですが、SNSでもついつい「#クレスク」を検索している毎日です。みなさまのもとにクレスクが届いていることを実感して嬉しく思っています。
今回は自己紹介も兼ねて、敏感肌スキンケア「cresc. by ASTALIFT」のデザイン制作の裏側についてお話しします。
デザインの力で、ここちよさをプラスしたい。
クレスクのプロジェクトには、立ち上げから参加しました。私は入社以降3年間、「ASTALIFT」など化粧品を中心としたパッケージやグラフィックのデザインをしており、入社4年目の時に新たにクレスクの担当となりました。4年目で新ブランドの立ち上げに主担当として関われることを幸運だと感じましたし、新しい挑戦に対して期待感でいっぱいでした。
▲ 「写ルンです」をポッケに忍ばせて、自分がグッとくるものを写真に納めて楽しんでいます。
また、私自身も幼い頃からアトピーなどの肌悩みを抱えてきたので、クレスクがターゲットとする敏感肌に悩む方々の気持ちにはとても共感しました。だからこそ、絶対にいいものをつくりたいという決意は持ちつつも、一方でデザイナーとして新たなものを生み出す責任を感じてもいました。
化粧品に限らず、すでにいろんなものが溢れている時代。さらに、ちょうど世界がコロナ禍に見舞われたタイミングでもあったため、「今の世の中に必要なものって、一体何だろう?」「デザインにできることって、何だろう?」と、ものづくりの本質を改めて考えることからスタートしました。
そうして考えを巡らせる中で、このブランドで、デザインの力で、作業的になりがちなスキンケアの時間を少しでも楽しいものにかえられないだろうか。そんな思いを抱くようになったんです。
素材の良さを活かす、というアプローチ。
小さな頃から、ワクワクするものを見つけることが好きで、好奇心旺盛な性格でした。振り返ってみると、子どもの頃から無意識にやってきた、そんな「発見あそび」がデザイナーである今の私に繋がっているのだと思います。
今回、こうしてクレスクのボトル容器や包材のデザインを手掛ける上でも、いくつもの発見と感動があり、それらを重ね合わせることでデザインが形になっていきました。
はじめてクレスクのジェリーコンディショナーの美しいテクスチャーを見たとき、その場で、ボトル容器のデザインはこのテクスチャーを魅せるものにしたいと直感的に思ったんです。ジェリーコンディショナーのテクスチャーにはたくさんの気泡が含まれていて、光に当てるとキラキラ輝いてとても綺麗です。実は、あえて泡が入るように製造してもらっているんです。本来の製造では入れないように調整するのが“普通”かもしれませんが、試作段階でたまたま発生した気泡があまりにも綺麗だったので、デザインの一部として活かすことにしました。
ジェリーの透明感とクレスクの商品特長を伝えるために、ボトル容器の色味にもこだわりました。肌へのやさしさをイメージした淡いピンクに、うるおいをイメージしたネイビーのグラデーションをあしらうことで、敏感な肌が深いうるおいに満たされる様子を表現しています。
この絶妙なピンク色を実現するのに樹脂の色配合を何度も調整したり、色味以外にも誰もが使いやすいようにフォルムや耐久性をとことん吟味したりと、ボトル1つとっても開発チームや容器メーカーの方々と一緒に試行錯誤を重ねて作り上げました。
クレスクは、デザインチームはもちろん、部署を横断し、いろんな専門性を持つメンバーが一体となって形にしていった商品です。その過程でいくつも発見や気づきを得ると同時に、みんなの声を集約して製品に落とし込んでいくところに、改めてデザイナーとしての醍醐味を感じました。
小さなワクワクを、パッケージに込めて。
「cresc.」というネーミングは、音楽用語の「クレッシェンド」が由来です。デザインのモチーフにもクレッシェンドマークを採用していますが、ブランドの名前が決まったのは容器が完成したあと、包材のデザインをどうするかという段階でした。
それまでは目新しさを重視した包材を検討していましたが、もっと使う人の視点や気持ちに自然に寄り添うデザインの方がいいのではないか、と思いなおしたんです。また、「箱を開ける」という所作の中に何かをプラスできれば、と考えていましたが具体的なアイディアが浮かぶまではずいぶん時間がかかりました。
でもクレスクという名前が決まった瞬間、ブランドの個性や世界観がクリアになっていき、私の中でパッケージのアイディアもはっきりと思い浮かんだんです。それがクレッシェンドマークを模した、ジッパー型の包材です。
このパッケージは、クレスクが大事にしている「寄り添う」「楽しむ」ということを表現するために私がどうしても実現したかったアイディアの1つでした。プロジェクトメンバーを説得するために、模型を大量につくって、一人ひとりに「箱を開ける」行為を体験してもらったんです。その結果、どのメンバーにも「楽しい。このアイディアを実現させたい」と言ってもらえたときは、まさにブランドのコンセプトを伝えることのできるデザインにできるのではないか、という期待感を抱きました。
ちなみにこのジッパーを引いて箱を開いたとき、小さな一言メッセージが現れることにお気づきでしょうか?これ、駄菓子の当たりくじからヒントを得たものなんです。クレスクからみなさまへ、手紙代わりのメッセージ。見つけた人が少しでもハッピーになってもらえたら…そんな想いでしのばせた仕掛けです。
人は美しいものを目にしたり、何かを自分で発見した時に、心がワクワクすると思います。「商品を包み、伝える」というパッケージの役割を超えて、使う人を少しでもここちよく楽しい気分にできないか?と試行錯誤してできたパッケージです。今回の提案でこれまで気づけていなかったパッケージデザインの新しい可能性を感じましたし、デザイナーとしての自分の提案の幅や視野が広くなったと感じた経験でもありました。
使うたびに、愛されるブランドへ。
クレスクはネットで購入いただき、ご自宅に直接お届けする商品なので、届いた瞬間から気分が上がり、使い続けたいと思っていただけるような工夫をパッケージデザインでも意識しました。
中でもトライアルセットのデザインはみなさまに最初に手に取っていただくものなので、クレスクの世界観をしっかり感じ取っていただけるようにこだわりました。たとえば、届いた箱を開けたときに最初に見えるのは納品書ではなく、クレスク柄のデザインのペーパーになっています。みなさんとの“ご対面”の瞬間が事務的な納品書からはじまるなんてクレスクらしくない、と考えたからです。このペーパー、実は敷くだけでフォトジェニックな写真が撮れる背景シートとしても使えるので、ぜひ試していただけたら嬉しいです。
また、詰め替え用のレフィルには、複数種類のデザインを用意しました。クレッシェンドマークがモチーフのテキスタイルのようなデザインでランダムにお届けします。「使い終わったら買い足す」この当たり前の流れにもちょっとした楽しみをプラスしたいと思ったんです。次はどんな柄が届くだろうと楽しみに待っていてくださいね。
実際SNS上でも、商品と、普段はすぐに捨てられてしまう包材を一緒に撮影してくださっている方や、ボトル容器に関して「泡がキラキラ光ってかわいい」といった、私たちのこだわりに気づいてくださった方のコメントも多く、感無量です。
クレスクがより皆さまに愛されるブランドになるように、これからもデザインの面から、スキンケアの時間がここちよくなるような新たな提案をしていきたいと思います。
Profile
小林智恵子 Chieko Kobayashi
デザインセンター
グラフィックデザイングループ
化粧品を中心とした容器・パッケージデザインを担当。好きな飲み物はビール、好きな食べ物は銀杏と茶碗蒸し。幼少期の将来の夢は「夢のペンキ屋さん」。
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