乾燥肌を招く原因にはさまざまなものがありますが、湿度変化も原因のひとつであることをご存じでしょうか。
今回は「湿度変化が肌に与える影響」について詳しく解説します。また、スキンケアをはじめとする乾燥肌の対策法についても紹介します。
乾燥肌の原因は湿度変化だった!?
肌の乾燥は、刺激から肌を守り、うるおいをキープしてくれるバリア機能の低下によって発生します。そもそもバリア機能が低下する原因には、ストレスや食⽣活の偏り、紫外線、間違ったスキンケアなどが挙げられます。とある調査によると、女性の約90%が乾燥肌の自覚があるという報告※ も…。乾燥肌は、誰にでも起こりうる肌トラブルのひとつなのです。
ところで、バリア機能の低下には「湿度変化」も大きく影響していることをご存じでしょうか。肌のバリア機能を支えているのは、角層細胞の隙間を埋めている「細胞間脂質」で、その主成分となるのが「セラミド」という成分です。湿度が急激に低下するなどの湿度変化が起こると、セラミドが作られにくくなり、バリア機能の低下につながるのです。
バリア機能が低下することで、紫外線や空気中のほこりなどの外的刺激による影響を受けやすくなり、乾燥や肌あれにつながってしまいます。また水分をつなぎとめる役割も担うセラミドが減少すると、皮膚からの⽔分蒸発が加速します。湿度変化が起きる環境下で長時間過ごすと、水分が肌にとどまらず、乾燥肌につながってしまうのです。さらに湿度に加えて気温も低いと、皮膚の代謝が下がり保湿作用が弱まることで乾燥を招きます。
※マイボイスコム株式会社 2019年1月18日 07時40分配信プレスリリースより
湿度変化が起こる日常生活のシーンとは?
このような肌に及ぼす湿度変化は、日常生活のあらゆるシーンで起こる可能性があります。今回は、湿度変化が大きい3つの日常シーンを紹介します。肌の乾燥が気になる方は、心当たりがないかチェックしてみてください。
湿度変化が大きい日常シーン
(1)マスクの着脱による湿度変化
近年では、年中マスクをしている方も多いでしょう。マスクを付けたり外したりする際、湿度差が生じやすいので注意が必要です。特に冬場にマスクを着用しているときと、室内で外したときとでは湿度変化が激しく起こってしまいます。冬場にマスクをしていると冷たい風が肌に当たらないとはいえ、乾燥肌を引き起こしやすいので注意しましょう。
(2)夏の時間帯による湿度変化
気象庁「東京都、2020年8月21日の湿度日内変動」をグラフ化
夏は、意外にも冬と比較して湿度変化が大きいのが特徴です。時間帯別の相対湿度を測定した実験によると、ある夏日の朝方は湿度が90%を超えるのに対し、日中は湿度が40%を下回る時間帯も。冬の湿度は、夏と同じく日中に下がりますが、その差は約20%なので、夏よりも変化が緩やかです。このように冬だけではなく夏も湿度変化が生じており、むしろ夏のほうが一日の中での湿度変化が大きいことがわかります。
(3)冬場の通勤による湿度変化
冬場の通勤も、激しい湿度変化が起きやすいといわれています。満員電車で冬場のオフィスに行く場合、満員電車の中は湿度が約90%で、冬場のオフィスは約30%と、60%近く減少します。冬はただでさえ空気が乾燥していてうるおいが失われがちなので、湿度差が生じる場面には注意しましょう。
ご紹介したように、湿度変化は季節問わず日常のあらゆる場面で起こっています。湿度差による乾燥肌を防ぎたい場合には、一年中対策を行うことが大切です。
湿度変化によって起こる乾燥肌の対策法
これまで解説してきたとおり、湿度変化はバリア機能を低下させ、乾燥肌を引き起こす原因のひとつです。湿度変化は季節問わず日常のあらゆる場面で起こっているため、湿度差による乾燥肌を防ぎたい場合には、一年中対策を行うことが大切です。うるおった、みずみずしい肌を常にキープできるように、今回は2つの対策法をご紹介します。
対策1 セラミド配合の化粧水や乳液でスキンケアを行う
1つ目に紹介する対策法は、セラミド配合の化粧水や乳液でスキンケアを行う方法です。湿度が急激に低下するなどの湿度変化が起こると、セラミドが作られにくくなり、バリア機能の低下につながります。そのため、肌に直接成分を届けることができる化粧水や乳液でセラミドを補給することが大切です。保湿成分であるセラミドを角層内に補うことで肌にうるおいを与え、乾燥を防ぐことができます。
セラミドは、人がもともと持っている成分ですが、さまざまな要因でどんどん失われ、生成する機能も年齢によって弱まってしまいます。そのため、外から補ってあげるスキンケアでしっかりセラミドを補給することが重要です。
対策2 室内の湿度を60%程度で一定に保つ
2つ目に紹介する対策法は、室内の湿度を一定に保つことです。乾燥に負けないうるおう肌を目指すのに、理想的な湿度は「60%」程度と言われています。湿度を一定に保つことでセラミドの減少を抑えることができ、バリア機能の維持が期待できます。湿度が低い場合は、加湿器を使ったり、洗濯物を室内干ししたりするだけでも手軽に部屋の湿度を上げることができるので試してみましょう。
まとめ
セラミド配合のスキンケアで湿度変化による乾燥対策を
今回は、乾燥肌の原因のひとつである「湿度変化」とその対策についてご紹介しました。湿度変化が生じることにより細胞同士や水分をつなぎとめる役割を持つセラミドが作られにくくなった結果、バリア機能が低下して肌が乾燥してしまうことがあります。湿度変化は、季節を問わず、マスクの付け外しやオフィスへの通勤といった身近なシーンで生じています。空気の乾燥を強く感じるのは冬ですが、一日の中で生じる湿度変化が激しいのは夏なので、乾燥対策は一年を通して行うのがおすすめです。
乾燥肌の対策としては、まずセラミド配合の化粧水や乳液でのスキンケアから始めてみましょう。化粧水でセラミドを補ったあとは、乳液でうるおいを閉じ込めることで角層までの保湿効果が期待できます。室内の湿度を60%程度で一定に保つ工夫をしつつ、化粧水や乳液で対策を行うことで、湿度変化にもゆるがないうるおいが満ちた肌を目指しましょう。