季節の変わり目に肌がカサつく、洗顔後に肌が突っ張る、といった乾燥肌に悩む方の中には、「毎日スキンケアしているのに、手応えを感じない」と、困っている方も多いのではないでしょうか。
乾燥肌に悩んでいる方は、自分の肌に合ったスキンケアアイテムを選び、適切な方法で使用することが大切です。
今回は、スキンケアアイテムの選び方やお手入れ方法、生活習慣の見直しなどを通して、「乾燥肌の対策」について解説していきます。
乾燥肌の原因は“あの”成分不足?おすすめの化粧水と乳液
乾燥肌を引き起こす原因はさまざまですが、そのうちのひとつが保湿成分である「セラミド」不足です。セラミドとは、肌内部の水分をつなぎとめ、ほこりや汚れ、紫外線などの外的刺激から肌を守る役割を持っています。セラミドが十分に維持されることで、水分が逃げてしまうのを防ぎ、外的刺激から肌を守ることができるのです。
ただし、セラミドは湿度の変化やストレスなど、日常生活の些細な変化や加齢の影響を受けると、減少してしまいます。そのためセラミド不足による乾燥肌を防ぐには、セラミドが配合された化粧水などで外側から成分を補ってあげることが大切です。
乾燥肌には乾燥肌向けのスキンケアアイテム選びが大切
スキンケアアイテムの中でも特に化粧水は、肌に水分を与えてキメを整える重要な役割があります。化粧水で肌のキメを整えることで、美容液などの浸透を助けることにもつながります。うるおいを与える重要なアイテムである化粧水には、「セラミド」が配合されているかを意識して選ぶようにしましょう。
また、うるおいをキープしている角層細胞の隙間は非常に小さいため、そこにきちんと成分を届けるためには、成分をナノ化するなどして角層まで浸透しやすくしたスキンケアアイテムを選ぶことも重要です。
塗るだけはNG?乾燥肌には正しいスキンケア方法を
セラミドなどの保湿成分が配合された化粧水や乳液を使用していても、使用量や塗り方などを間違えるとかえって乾燥を悪化させてしまう恐れがあります。乾燥肌の方のスキンケアでは使用量やお手入れ方法も非常に重要なので、正しいスキンケア方法をアイテム別に紹介します。
クレンジング・洗顔を行う際のポイント
クレンジングを行う際、肌との摩擦を防ぐために商品が推奨している使用量をしっかり守りましょう。ポイントは、肌を擦らず、指の腹でくるくるとメイクと優しく馴染ませ、メイクが馴染んだら、30秒~1分程度ぬるま湯でしっかりすすぐこと。クレンジング料を肌の上に長時間放置すると、肌に負担がかかってしまうので注意しましょう。
洗顔料を使用する際も、商品が推奨している使用量を守り、よく泡立ててたっぷりの泡で肌の表面をなでるように洗います。35~38度ほどのぬるま湯でしっかりすすいだら、柔らかいタオルで優しく押さえるように水分を拭き取りましょう。
化粧水を塗る際のポイント
洗顔を終えたあとは、できるだけ早く化粧水を塗って保湿ケアをしましょう。洗顔時には、肌の汚れだけではなく、うるおいのフタをする皮脂なども洗い流れている状態なので、洗顔後は肌から水分が蒸発しやすく、急速に肌の乾燥が進みやすくなっています。時間が経過するにつれ、角質が硬くなり化粧水が浸透しにくくなってしまうので注意しましょう。
まずは商品が推奨している使用量を手のひらに軽く伸ばし、顔の内側から外側に向かって塗ります。目の周り、小鼻周り、口周りなど顔の細かい部分は、指先に馴染ませて優しく塗り込むことがポイントです。
コットンを使用する場合は、コットンに化粧水を染み込ませてからスタンプを押すように優しく押し当てます。まぶたや口元などは、コットンを軽くすべらせるようにして塗りましょう。
化粧水を顔全体に塗ったあとは、手のひらで顔を包み込み、手の温度で肌を温めましょう。すると化粧水が馴染みやすくなります。もっちりと肌が手に吸い付くような感触になったら、お手入れ完了のサインです。
乳液・クリームを塗る際のポイント
化粧水を塗るだけでは、うるおいをキープすることができません。塗った直後はうるおっているかもしれませんが、時間が経つと水分が蒸発してしまいます。そのため化粧水を塗ったあとは、乳液やクリームでうるおいを閉じ込めることが大切です。化粧水を塗ったら、乳液、クリームの順番で保湿ケアをしましょう。塗り方の手順は乳液、クリームどちらも同じです。
まずは、適量を手のひらで温めながら伸ばし、顔の内側から外側に向かって塗ります。目元、口元、頬などの乾燥しやすいパーツは、重ね塗りをすることがポイントです。最後に化粧水と同じように、優しく手のひらで顔を包み込み、ハンドプレスしたらお手入れ完了です。
紫外線対策を行う際のポイント
朝のスキンケアの最後には、紫外線対策を行うことも大切です。紫外線も肌への刺激となるため、乾燥肌を悪化させるひとつの要因となります。
屋内でも窓を通して年中紫外線は入ってくるので、季節や場所を問わず、朝のスキンケアの最後には必ず紫外線対策することを心がけるようにしましょう。
スキンケア以外に肌の乾燥を防ぐポイント
スキンケア以外にも、生活習慣の見直しで肌の乾燥を防ぐ方法があります。体の外側だけではなく内側からもアプローチすることで、乾燥肌を防ぐ効果が期待できるでしょう。
バランスのいい食生活を心がける
まずは食生活を見直してみましょう。食事では、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく摂取することが大切です。
各栄養素には、肌に必要なさまざまな役割があります。
- タンパク質
- 肌や髪などのもととなる栄養素。肌のハリを保つコラーゲンを生み出す役割を持つ。
- 脂質
- 細胞膜の主成分。肌や髪の乾燥を防ぐ役割を持つ。
- 炭水化物
- 食物繊維と糖質が主成分である栄養素。腸内環境を整えて、ターンオーバーの正常化により肌の乾燥を防ぐ役割を持つ。
- ビタミンA・C・E
- 全13種のビタミンの中でもビタミンACE(エース)と呼ばれる栄養素。ビタミンAは肌のうるおいを保つ役割、ビタミンCはシミやしわを防ぐ役割、ビタミンEは細胞の老化を防ぐ役割を持つ。
- カルシウム
- ミネラルの一種。骨や歯、健康的な肌をつくる役割を持つ。
- 亜鉛
- ミネラルの一種。肌のターンオーバーを促進する役割を持つ。
こまめに水分補給を行う
肌の外からだけではなく、内側から水分を補うことも大切です。水分は、1日に1.5~2Lを目安に摂取しましょう。利尿作用のあるコーヒーや紅茶などのカフェインを含んだものよりも、水や麦茶がおすすめです。
部屋の湿度を保つ
肌のうるおいを維持するうえでの理想的な湿度は、60~65%です。特に乾燥しやすい冬は、加湿器などを活用して部屋の湿度を高めることが大切です。
長時間の入浴を避ける
入浴する際は、お湯の温度を40度前後に設定し、長時間の入浴は避けてください。熱いお湯に長時間浸かると、必要な皮脂まで流れてしまい、乾燥肌の悪化につながる恐れがあります。
質のいい睡眠をとる
就寝中は、ホルモンバランスが整いやすく、肌のターンオーバーによい影響を与えます。入眠後3時間以内に深い眠りに入ると、成長ホルモンが新陳代謝を促進し、肌のターンオーバーが整いやすくなります。また質のいい睡眠をとるには、入眠前2~3時間の飲食は避け、スマホなどを見ないようにすることがポイントです。
適度に運動する
適度な運動は、血行改善や自律神経の活性化につながります。自律神経のはたらきがよくなると、ホルモンバランスと肌のターンオーバーが整いやすくなり、乾燥肌の悪化を防ぐことにつながるでしょう。
まとめ
乾燥肌対策にはセラミド配合の化粧水や乳液で、正しいスキンケアを
いかがだったでしょうか。乾燥肌の原因はさまざまですが、特に気をつけたいのは保湿成分「セラミド」の減少を防ぐことです。セラミドが減少すると、肌を刺激から守ったり、うるおいをキープしたりする機能が弱まってしまうため、乾燥を招く原因となります。そのため特に乾燥肌の方には、セラミド配合の化粧品や、配合成分を必要な場所にきちんと届ける浸透力※に着目したスキンケアアイテムがおすすめです。
ただし、どんなによい商品でも、誤った方法でお手入れをしてしまうと、乾燥肌の悪化につながる可能性もあるため、使用量やお手入れ方法にも注意しましょう。
またスキンケア以外にも、生活習慣を見直すことで、乾燥肌を防ぐ効果が期待できるでしょう。
今回の記事でご紹介したポイントを、普段のお手入れにもぜひ取り入れてみてくださいね。乾燥する時季でも、うるおいが続く肌を目指しましょう。
※角層まで