オードリー・ヘップバーン
1929年、ベルギーのブリュッセルに生まれる。21歳までバレエ学校で学ぶ。ブロードウェイの舞台『ジジ』で注目され、映画初主演作『ローマの休日』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。晩年はユニセフ親善大使として活躍し、93年に逝去。
ART
2022.11.25
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映画の中で描かれた美しい人々、装い、ヘアメイクの中には現代を生きる私たちの美の感性を刺激するヒントがたくさんあります。
今回はオードリー・ヘップバーンの魅力に迫ります。
1929年、ベルギーのブリュッセルに生まれる。21歳までバレエ学校で学ぶ。ブロードウェイの舞台『ジジ』で注目され、映画初主演作『ローマの休日』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。晩年はユニセフ親善大使として活躍し、93年に逝去。
手足が長くほっそりとした長身、大きな瞳に太めの眉、ショートカット、そしてエレガントなファッション。映画「ローマの休日」のオードリーヘップバーンは、世界中の人々を虜にし、彼女のヘアメイクやファッションは一世を風靡しました。
彼女が演じたアン王女は公務の多忙さから逃れるために宮殿を抜け出し、アーニャと名乗って一日の冒険に繰り出します。バレリーナを目指していたオードリーの優雅な身のこなしは、プリンセスを演じるにはぴったり。王女の光り輝く気品もさることながら、普通の女の子としていたずらっぽく青春を謳歌する姿は実にキュートです。
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衣装デザインを担当したイーディス・ヘッドは、オードリーのアドバイスをデザインの決め手にしたそう。今ではおなじみのタウン用のバレエシューズも、オードリーが私生活で愛用していたことから映画の中に取り入れられました。また、胸が小さいことがコンプレックスだった彼女が白いブラウスを着ると、長い首が協調されて妖精のような雰囲気を醸し出したことから、ブラウスの着こなしも人気に。また、ショートカットも憧れの的となりました。
高すぎる身長、広い肩幅、細すぎる体型がコンプレックスだったオードリーは、それらをカバーするヘアメイクや着こなしが得意でした。コンプレックスをプラスに変えた彼女はその生き方も含め、時代を問わず多くの人々に尊敬されています。
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白いブラウスと、細いウエストを強調したフレアスカートは、当初「王女は流行には疎いはず」という理由から選ばれたそう。しかし、仕立てのよいシンプルなブラウスは着る人の高貴さと清楚さを引き立て、永遠の定番となりました。映画の途中、ブラウスの腕をまくって半袖にし、襟元を開け、ハンカチを首に巻いたアレンジも着こなしの参考になります。
Text:森 菜穂美