
Interview
「人の役に立つものをつくりたい」
化粧品にも医療にも共通する
富士フイルムの想い
岡村 愛
富士フイルム バイオサイエンス&エンジニアリング研究所
研究マネージャー
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2007年
富士フイルム入社
再生医療に用いるタンパク質や、それを生かした医療用材料(歯科用の骨補填材)を研究。 -
2022年
化粧品の研究開発を開始。
新製品のためのこれまでにない技術の開発に従事。
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想いをかなえるために
富士フイルムへ学生時代は、国立の研究所で再生医療※の研究をしていました。その道に進んだのは、「誰かの役に立つものをつくりたい」という強い想いをずっと抱いてきたからでした。
新しいものをつくるには、幅広い知識や技術を集めて、さまざまな方向から研究していくことがとても大事です。それが実現できると思ったのが、富士フイルムでした。写真フィルムをはじめとする幅広い分野で蓄積してきた高度な技術を生かせば、きっと、見たこともないような新しいものをつくり出せる――そんなワクワクした気持ちで、富士フイルムの研究員になりました。※患者の体外で培養した細胞や組織を使って、病気やケガによって傷ついたり、機能が低下した体の部分を修復・再生し、治療する医療技術。
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「悩みに向き合い、解決する」
化粧品富士フイルムの化粧品開発のベースは、写真フィルムから生まれた「コラーゲン」「抗酸化」「ナノテクノロジー」「光解析・コントロール」の4つの技術。写真フィルムの素材の約半分を占めるコラーゲンは肌の主成分ですし、シミやシワなどの原因となる酸化現象をコントロールするのが抗酸化技術。ナノテクノロジーは美容成分を高濃度で配合して肌に浸透させるのに活躍し、光解析・コントロール技術は肌内部の様子を可視化するのに役立っています。これらの技術により、一人ひとりの肌悩みに寄り添い、美しさを追求してきた実績が、富士フイルムの化粧品を大きく育ててくれました。
さらに今では、医療分野で開発された技術も活用され、化粧品の世界を豊かに広げてくれています。悩みに向き合い、技術で解決に挑むのは、医療も化粧品も同じ。そのために活用できる知識や経験は、何であっても惜しみなく注ぎ込みたい――富士フイルムの研究員みんなに共通する想いです。 -
「一つたりとも不具合は出さない」
という信念とはいえ、一番重要なのは品質に対するこだわりです。化粧品の場合、中身はもちろん容器や外箱にいたるまで、何度も厳しい試験を重ね、万が一にも不具合が発生しないよう、徹底的に対策します。これは富士フイルムの企業精神です。アナログ写真は撮影したその場で画像を確認できません。フィルムの不具合のせいできれいな写真ができあがらなかったら、取り返しはつかないのです。だから、世界中に何億個ものフィルムを出荷していても、一つたりとも不具合は出してはならない――この考え方が骨の髄まで染み付いているのが富士フイルムなんです。
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富士フイルムにしかつくれない
化粧品を目指して化粧品の研究に関わるようになって一番嬉しかったのが、「ゼロから携わった製品が世の中に出る」こと。「誰かの役に立つものをつくりたい」という想いから研究の道に進んだ私にとっては、お客さまの生の声を聞くこともやりがいになっていますね。「次の製品にはどんな技術が入っているのか期待しています」と言っていただけると、テンションが上がります(笑)。
今は新しい技術の研究にも取り組んでいます。これからもお客さまが効果を実感できる化粧品を世に送り出し、「富士フイルムだからこれをつくれたんだね」と言っていただけるよう頑張っていきたいですね。
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